京都大学医学部附属病院 婦人科産科学の研究チームが国際学会でMIMOSYS®による抑うつ症状の高い判別性能と抑うつ関連代謝産物との関連について発表しました
この度、弊社PST株式会社(以下、PST)の音声未病分析技術「MIMOSYS®」が抑うつ症状の高い判別性能および抑うつ関連代謝産物との関連性を有することが、京都大学医学部附属病院 婦人科産科学(以下、京大婦人科産科)の婦人科腫瘍研究チームにより、韓国のソウルで開催された国際学会Asian Oncology Society 2022(以下、AOS2022)において発表されました。さらに、本研究の優れた科学的成果が認められ、本発表の筆頭演者である東山 希実 医師は、「Best Poster Award(最優秀ポスター賞)」を受賞いたしました。
本発表の演題名は、「The usefulness of voice in monitoring depression in gynecological cancer patients」で、MIMOSYS®を用いた婦人科系がんの患者様の抑うつ症状の機械学習モデルを用いた判別性能と、MIMOSYS®のスコアと血中の各種抑うつ関連代謝産物との関連性を報告した研究となります。東山 医師の報告によると、MIMOSYS®の「心の活量値」などの声音声データを用いた機械学習モデルは、質問紙票検査PHQ-9に基づく軽度抑うつ症状をAUC 0.861という非常に高い精度で予測することが可能でした。さらに、MIMOSYS®の「心の活量値」は、様々な血中の抑うつに関わるとされる代謝産物との関連性を有していたことが明らかとなりました。
MIMOSYS®はこれまで、ベックうつ評価尺度(BDI)のような質問紙票による自己評価、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)のような医師による他者評価との関連性があることは、多く報告されておりました。それに加え、今回の本研究成果により、MIMOSYS®は血中の各種抑うつ関連代謝産物動態との関連という新しい科学エビデンスを得ることとなりました。
本研究は、PSTが京大婦人科産科と実施中の婦人科がん患者様を対象としたQOLの維持・向上を目的する共同研究の一部となります。今後、京大婦人科産科の婦人科腫瘍研究チームの先生方の論文化へ向け、また婦人科系がんの患者様にかかる医療のさらなる発展のため、PSTは本研究のサポートを継続してまいります。
【MIMOSYS®について】
MIMOSYS®(Mind Monitoring System)とは、声帯の変化(不随意反応)を含めた音声解析により、心の状態を「可視化」する未病音声分析技術です。東京大学大学院工学系研究科 特任教授 徳野慎一先生によって医学的に検証されており、言葉、国籍、性別、年齢、個人差の影響を受けることなく、日常の声から客観的かつ手軽に心の健康度をチェックすることができます。
【本研究の背景】
近年、がんの治療の目的として、がんを治すだけではなく患者のQuality of Life (QOL)を向上もしくは維持させ、精神的・社会的な日常生活を改善することが求められており、「がんサバイバーシップ」と呼ばれています。「がんサバイバーシップ」は日常生活に即した問題であることから、病院を受診した際の診察、検査のみならず、日常生活情報等の健康データをいかに診療に取り入れるかという課題がありました。それを受けて本研究においては、客観的かつ簡便な精神状態の定量化技術として、PSTの「VOISFIA®」および「MIMOSYS®」を導入することとなりました。本研究の成果は、婦人科がん患者のヘルスケアサポート(QOL向上)、がんサバイバーシップに関する医学・医療の今後の発展に寄与することを目指します。
【本研究について】
京大医学研究科の万代昌紀教授、山口建講師を中心とした研究チームで実施される本研究は、京都大学医学部附属病院の産科婦人科やその関連施設で診断、治療、経過観察を行う18歳以上の婦人科がん患者様を研究対象者とし、治療および本研究への参加にあたり説明を受けた後、理解の上、文書同意が得られた方を対象に行われます。
【京都大学大学院医学研究科 婦人科学産科学教室について】
1899年に京都帝国大学医科大学が開設され、婦人科学・産科学教室(当教室)が創設、2019年で120周年を迎えました。現在の第10代教授である万代昌紀教授にいたるまで、当教室は婦人科がんと深くかかわってきた歴史があります。特に子宮頸癌は第2代高山尚平教授が発表した高山術式は子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術の基礎となり、第3代岡林秀一教授が改良した岡林術式は現在の子宮頸癌手術の標準術式となっています。第4代の三林隆吉教授は超広汎子宮全摘術を考案しました。第8代の藤井信吾教授は子宮頸癌に対して出血量の少ない膀胱神経温存術式を考案し、現教授の万代昌紀教授は本邦で先駆けて鏡視下広汎子宮全摘術を行っています。また、子宮頸癌以外にも免疫療法の基礎研究から卵巣癌に対する抗PD1抗体の医師主導治験、がんゲノム解析、婦人科がんの発生や抗がん剤耐性の解明、がんとQOLの研究など、時代のニーズとともに将来の展望を心掛けた研究をしています。
URL:https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~obgy/labo/st_g018.html
本発表の演題名は、「The usefulness of voice in monitoring depression in gynecological cancer patients」で、MIMOSYS®を用いた婦人科系がんの患者様の抑うつ症状の機械学習モデルを用いた判別性能と、MIMOSYS®のスコアと血中の各種抑うつ関連代謝産物との関連性を報告した研究となります。東山 医師の報告によると、MIMOSYS®の「心の活量値」などの声音声データを用いた機械学習モデルは、質問紙票検査PHQ-9に基づく軽度抑うつ症状をAUC 0.861という非常に高い精度で予測することが可能でした。さらに、MIMOSYS®の「心の活量値」は、様々な血中の抑うつに関わるとされる代謝産物との関連性を有していたことが明らかとなりました。
MIMOSYS®はこれまで、ベックうつ評価尺度(BDI)のような質問紙票による自己評価、ハミルトンうつ病評価尺度(HAM-D)のような医師による他者評価との関連性があることは、多く報告されておりました。それに加え、今回の本研究成果により、MIMOSYS®は血中の各種抑うつ関連代謝産物動態との関連という新しい科学エビデンスを得ることとなりました。
本研究は、PSTが京大婦人科産科と実施中の婦人科がん患者様を対象としたQOLの維持・向上を目的する共同研究の一部となります。今後、京大婦人科産科の婦人科腫瘍研究チームの先生方の論文化へ向け、また婦人科系がんの患者様にかかる医療のさらなる発展のため、PSTは本研究のサポートを継続してまいります。
【MIMOSYS®について】
MIMOSYS®(Mind Monitoring System)とは、声帯の変化(不随意反応)を含めた音声解析により、心の状態を「可視化」する未病音声分析技術です。東京大学大学院工学系研究科 特任教授 徳野慎一先生によって医学的に検証されており、言葉、国籍、性別、年齢、個人差の影響を受けることなく、日常の声から客観的かつ手軽に心の健康度をチェックすることができます。
【本研究の背景】
近年、がんの治療の目的として、がんを治すだけではなく患者のQuality of Life (QOL)を向上もしくは維持させ、精神的・社会的な日常生活を改善することが求められており、「がんサバイバーシップ」と呼ばれています。「がんサバイバーシップ」は日常生活に即した問題であることから、病院を受診した際の診察、検査のみならず、日常生活情報等の健康データをいかに診療に取り入れるかという課題がありました。それを受けて本研究においては、客観的かつ簡便な精神状態の定量化技術として、PSTの「VOISFIA®」および「MIMOSYS®」を導入することとなりました。本研究の成果は、婦人科がん患者のヘルスケアサポート(QOL向上)、がんサバイバーシップに関する医学・医療の今後の発展に寄与することを目指します。
【本研究について】
京大医学研究科の万代昌紀教授、山口建講師を中心とした研究チームで実施される本研究は、京都大学医学部附属病院の産科婦人科やその関連施設で診断、治療、経過観察を行う18歳以上の婦人科がん患者様を研究対象者とし、治療および本研究への参加にあたり説明を受けた後、理解の上、文書同意が得られた方を対象に行われます。
【京都大学大学院医学研究科 婦人科学産科学教室について】
1899年に京都帝国大学医科大学が開設され、婦人科学・産科学教室(当教室)が創設、2019年で120周年を迎えました。現在の第10代教授である万代昌紀教授にいたるまで、当教室は婦人科がんと深くかかわってきた歴史があります。特に子宮頸癌は第2代高山尚平教授が発表した高山術式は子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術の基礎となり、第3代岡林秀一教授が改良した岡林術式は現在の子宮頸癌手術の標準術式となっています。第4代の三林隆吉教授は超広汎子宮全摘術を考案しました。第8代の藤井信吾教授は子宮頸癌に対して出血量の少ない膀胱神経温存術式を考案し、現教授の万代昌紀教授は本邦で先駆けて鏡視下広汎子宮全摘術を行っています。また、子宮頸癌以外にも免疫療法の基礎研究から卵巣癌に対する抗PD1抗体の医師主導治験、がんゲノム解析、婦人科がんの発生や抗がん剤耐性の解明、がんとQOLの研究など、時代のニーズとともに将来の展望を心掛けた研究をしています。
URL:https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~obgy/labo/st_g018.html