MEDICAL 医療関係者の皆さま向け

声からわかる、それも理解わか

医療関係者の皆さまは、歩き方や姿勢、表情、触れた感覚、香り、そして発せられる“声の響き”など、五感を駆使して、患者さんの状態を把握されています。 私たちは、医療関係者の皆さまが捉え患者さんの状態を把握される一つの重要な要素、“声の響き” に着目し、研究を積み重ねてきました。

声から解る、それも理解る

声の秘密を解き明かす

声の原音は、迷走神経支配で意図的に動きを変えることのできない声帯と呼気により生み出されています。生み出された原音は、声帯から唇までの声道の共鳴により修飾され、声が産生されます。そして “声の響き” は、喜び、悲しみ、苦しみ、怒りなどの感情に加え、脳神経の変性、心臓や肺、口腔や咽頭などの器質的変化により、異なる特徴が現れます。私たちは、患者さんの状態により異なる声帯の動きや呼気圧、声道の変調を特徴量として捉え、アルゴリズムを導出し、病気の診断や病態の変調を見える化する音声バイオマーカー技術を創出しました。

声の秘密を解き明かす

“声の響き”で
医療の新しい世界を創り出す

音声バイオマーカー技術による診断や病態の変調の把握は、非侵襲かつ短時間で行うことができ、患者さんの負担や医療関係者の皆さまの業務効率化にも寄与できると考えています。そして、“声の響き” は日常生活においても取得可能であり、これまで 解明できていなかった病態の変調がいつ起こるのか、あるいは病態の変調の兆しを察知できる日が、もうすぐそこに見えてきています。わたしたち PST は、音声バイオマーカー技術を用いて、医療の新たな世界を創り出していきます。

“声の響き”で医療の新しい世界を創り出す

疾患別音声バイオマーカー
(医療関係者の皆さま向け)

精神・神経 MCI/ 認知症/ アルツハイマー型認知症 精神・神経

「正常な声」を発するには、左右の声帯が隙間なく接触している必要があります。認知機能が衰えると、反回神経を介した声帯筋のコントロールが適切に行われず、声帯を安定して接触させることが難しくなります。結果として、原音の揺らぎや息もれするような声(気息性)が生じます(気息性は、長母音で計測する特徴量に現れます)。
また、運動機能の低下に関連して、発声の強弱やリズムが不安定になります(安定性は、繰り返し発話するフレーズで計測する特徴量に現れます)。

学術論文
1. Novel Screening Tool Using Non-linguistic Voice Features Derived from Simple Phrases to Detect Mild Cognitive Impairment and Dementia. (JAR Life, 23 Aug 2023)
https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC10450207/
2. Discrimination of mild cognitive impairment based on involuntary changes caused in voice elements. (Frontiers in Neurology, 21 June 2023, Impact Factor:3.4)
https://www.frontiersin.org/articles/10.3389/fneur.2023.1197840/full
学会発表
1. Pilot study to assess cognitive decline based on vocal analysis. (IUPESM World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering 2022)
2. Study of auto-detecting mild cognitive impairment using pauses in speeches during letter fluency tasks. (IUPESM World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering 2022)




循環器 心不全 循環器

心臓のポンプ機能が低下し、全身の水分のバランスが保てなくなります。結果として肺に水がたまり、息を十分に吸ったり吐いたりするのが難しくなります。肺に水がたまった状態では呼気の流量や流速が低下します。肺からの呼気流は発声の動力源です。
十分な呼気流がないと声帯の振動が不則になり、雑音成分が増加してざらついた声(粗糖性声)がみられます。より分かりやすい変化としては、発声の持続時間や声量の低下が生じます。

学術論文・抄録
・Clinical utility of machine learning-derived vocal-biomarker inthe management of heart failure ‒ GOKAN-HF ‒. (European Heart Journal ‒ Digital Health, 投稿中 )
学会発表
1. Clinical Utility of Machine Learning-Derived Vocal-Biomarker in the Management of Heart Failure. (the American Heart Association's 2022 Scientific Session)
2. 心不全管理における音声バイオマーカー利用の可能性に関する検討. (第70回日本心臓病学会学術集会 2022)
3. 心不全管理における音声バイオマーカー利用の可能性に関する検討. (第26回日本心不全学会学術集会 2022)