PST株式会社と横浜市大附属総合医療センターの共同研究成果:音声バイオマーカーによる心不全管理の新たな可能性
PST株式会社(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:大塚寛)は、横浜市立大学附属総合医療センター心臓血管センター医師 岡田興造 准教授との共同研究成果が、日本循環器学会の英文雑誌「Circulation Reports」に掲載されたことをお知らせいたします。本研究は、音声バイオマーカー技術を用いた心不全管理の新たな可能性を示すものです。
・研究のハイライト
– 革新的なアプローチ: 心不全患者の音声を分析し、病状との関連性を探る新しい試み
– 高精度な予測: 機械学習モデルに従来の指標と相関の高い音響特徴量を組み込むことで、予測モデルの高精度化を実現
– 非侵襲的モニタリング: 患者の負担を軽減する新しい心不全管理方法の可能性
・研究成果の概要
本研究では、59名の急性心不全患者から839の音声サンプルを収集し、従来の心不全指標(NYHA心機能分類、胸部X線所見、血中BNP濃度など)と比較分析しました。その結果、ある特定の音響特徴量が心不全の状態と相関することが判明しました。
特筆すべき点として、それら特定の音響特徴量を組み込んだ機械学習モデルにより予測されたBNP値が、実測値と有意な相関(r=0.49、P<0.001)を示したことが挙げられます。さらに、このモデルは心不全のその他の各検査結果も高い精度(最大80.4%)で予測することに成功しました。
・今後の展望
この研究成果は、音声バイオマーカー技術が心不全管理に革新をもたらす可能性を示唆しています。今後、さらなる研究を重ねることで、患者さんの日常生活における継続的かつ非侵襲的な心不全モニタリングの実現が期待されます。
弊社PSTは、横浜市立大学附属総合医療センター 医師 岡田興造 准教授と、この画期的な技術の実用化に向けて引き続き研究開発を進め、音声バイオマーカー技術の応用により、心不全患者様のQOL向上と、医療現場および社会の負担軽減に貢献することを目指します。
論文URL:
https://www.jstage.jst.go.jp/article/circrep/advpub/0/advpub_CR-24-0064/_article/-char/en