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期間:
2024.08.13 学会発表・論文

PST株式会社の音声分析技術を活用した婦人科系がん患者の音声による抑うつ評価の臨床研究がASCO Breakthrough 2024で表彰

この度、京都大学医学部附属病院産婦人科教室の研究チームが、ASCO Breakthrough 2024(2024年8月8~10日、横浜)において発表した研究成果についてお知らせいたします。この研究は、弊社PST株式会社の独自音声特徴量を活用し、婦人科系がん患者における音声を用いた抑うつ評価の可能性を探求したものです。この研究成果は、東山医師を筆頭演者として発表され、ASCO Breakthrough 2024においてAbstract Awardを受賞しました。

<研究の概要>

本研究では、婦人科系がん患者の抑うつ症状を評価するために音声データ解析を用いることの有効性を検証しました。従来のうつ病スクリーニングツールであるPHQ-9のスコアを基に、PSTのMIMOSYSによる分析結果や抑うつ症状に関連した独自の音声特徴量を用いてAI(人工知能)を開発し、軽度の抑うつ症状を高精度(AUC 0.89)で予測できることを示しました。特に、診断時に軽度の抑うつ症状を有する場合、化学療法中に抑うつ症状の重症化が見られるケースが多いため、音声によるメンタルヘルス評価の有望なスクリーニングツールとなる可能性が報告されました。また、本AIを反映する代謝物は、キサンチン、メチオニン、タウロコール酸などのうつ病と関連していることが示されました。

ASCO Breakthrough 2024 Webサイト:
https://conferences.asco.org/breakthrough/program
本発表内容:
https://meetings.asco.org/abstracts-presentations/239468

<ASCOおよびASCO Breakthroughについて>
ASCO(アメリカ臨床腫瘍学会)は、がん患者をケアするすべての腫瘍学サブスペシャリティの医師を代表する専門組織であり、世界最大のがん学会です。1964年に設立され、世界中で約45,000人の会員を有します。ASCOは、がん治療に関する教育資源や科学会議を提供し、腫瘍学の進歩を推進しています。

ASCO Webサイト:
https://www.asco.org/

ASCO Breakthroughは、がん治療の革新を目的とした国際会議で、世界中のがん治療のリーダーや研究者が集まり、新たなソリューションの発見を目指しています。この会議では、技術革新による世界最先端のがん治療の進化が議論され、参加者はインスピレーションやコラボレーションの機会を得ることができます。

<今後の展望>
弊社PSTは、音声バイオマーカー技術を通じて、人々のメンタルヘルスやウェルビーイングの改善に貢献しています。今回の研究成果は、弊社の音声バイオマーカー技術が、医療現場でのうつ病スクリーニングにおいて重要な役割を果たす可能性を示しており、今後のさらなる研究と実用化に期待が寄せられています。
我々は、これからも音声バイオマーカー技術を活用した革新的なソリューションを提供し、世界中の人々の健康と幸せに貢献してまいります。

※京都大学大学院医学研究科 婦人科学産科学教室について
1899年に京都帝国大学医科大学が開設され、婦人科学・産科学教室(当教室)が創設、2019年で120周年を迎えました。現在の第10代教授である万代昌紀教授にいたるまで、当教室は婦人科がんと深くかかわってきた歴史があります。特に子宮頸癌は第2代高山尚平教授が発表した高山術式は子宮頸癌に対する広汎子宮全摘術の基礎となり、第3代岡林秀一教授が改良した岡林術式は現在の子宮頸癌手術の標準術式となっています。第4代の三林隆吉教授は超広汎子宮全摘術を考案しました。第8代の藤井信吾教授は子宮頸癌に対して出血量の少ない膀胱神経温存術式を考案し、現教授の万代昌紀教授は本邦で先駆けて鏡視下広汎子宮全摘術を行っています。また、子宮頸癌以外にも免疫療法の基礎研究から卵巣癌に対する抗PD1抗体の医師主導治験、がんゲノム解析、婦人科がんの発生や抗がん剤耐性の解明、がんとQOLの研究など、時代のニーズとともに将来の展望を心掛けた研究をしています。
https://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~obgy/labo/st_g018.html