PST株式会社における公的研究費等の不正防止計画

PST株式会社において、文部科学省等その他の公的機関から配分される競争的資金等(以下、公的研究費等)の適正な使用を徹底するため、「研究機関における公的研究費の管理・監査ガイドライン(実施基準)」における要請に応えるため、以下のとおり不正防止計画を策定し実施する。

機関内の責任体系明確化

公的研究費等の運営・管理を適正に行うために、社内の運営・管理に関わる責任者が不正防止対策に関して社内外に責任を持ち、積極的に推進していくとともに、その役割、責任の所在・範囲と権限を明確化し、責任体系を社内外に周知・公表する。

① 最高管理責任者である代表取締役は、不正防止対策の基本方針を策定・周知するとともに、それらを実施するために必要な措置を講じる。また、統括管理責任者及びコンプライアンス推進責任者が責任を持って公的研究費等の運営・管理が行えるよう、適切にリーダーシップを発揮する。
② 統括管理責任者である管理部長は、不正防止対策の組織横断的な体制を統括する責任者であり、基本方針に基づき、当社全体の具体的な対策を策定・実施し、実施状況を確認するとともに、実施状況を最高管理責任者に報告する。
③ コンプライアンス推進責任者である研究開発部長は、統括管理責任者の指示の下、
1) 自己の管理監督する研究開発部・管理部等における対策を実施し、実施状況を確認するとともに、実施状況を統括管理責任者に報告する。
2) 不正防止を図るため、研究開発部・管理部等の公的研究費等の運営・管理に関わる全ての構成員に対し、コンプライアンス教育を実施し、受講状況を管理監督する。
3) 自己の管理監督する研究開発部・管理部等において、構成員が適切に公的研究費等の管理・執行を行っているか等をモニタリングし、必要に応じて改善を指導する。

適正な運営・管理の基礎となる環境の整備

(1)ルールの明確化・統一化
① 当社は、公的研究費等の運営・管理に関わる全ての構成員にとって分かりやすいようにルールを明確に定め、ルールと運用の実態が乖離していないか、適切なチェック体制が保持できるか等の観点から常に見直しを行う。
② 当社としてのルールの統一を図り、ルールの解釈についても研究開発部、管理部等の間で統一的運用を図る。
③ 当社のルールの全体像を体系化し、公的研究費等の運営・管理に関わる全ての構成員に分かりやすい形で周知する。
(2)職務権限の明確化
① 公的研究費等の事務処理に関する構成員の権限と責任について、社内で合意を形成し、明確に定めて理解を共有する。
② 業務の分担の実態と職務分掌規程の間に乖離が生じないよう適切な職務分掌を定める。
③ 各段階の関係者の職務権限を明確化する。
④ 職務権限に応じた明確な決裁手続を定める。
(3)関係者の意識向上
① 公的研究費等の運営・管理に関わる全ての構成員に、自らのどのような行為が不正に当たるのかをしっかりと理解させるため、コンプライアンス教育(当社の不正対策に関する方針及びルール等を学ぶ研修等)を実施する。
② コンプライアンス教育の実施に際しては、受講者の受講状況及び理解度について把握する。
③ 当社の不正対策に関する方針及びルール等を遵守する義務があることを理解させ、意識の浸透を図るために、公的研究費等の運営・管理に関わる全ての構成員に対し、受講の機会等に誓約書等の提出を求める。
④ 公的研究費等の運営・管理に関わる全ての構成員に対する行動規範を策定し、周知する。
(4)告発等の取扱い、調査及び懲戒に関する規程の整備及び運用の透明化
① 社内外からの告発等(社内外からの不正の疑いの指摘、本人からの申出など)を受け付ける窓口は管理部とする。
② 不正に係る情報が、窓口の担当者等から迅速かつ確実に最高管理責任者に伝わる体制を構築する。
③ 以下の1)から5)を含め、不正に係る調査の体制・手続き等を明確に示した規程等を整備する。
1) 告発等の取扱い
2) 調査委員会の設置及び調査
3) 調査中における一時的執行停止
4) 認定
5) 配分機関への報告及び調査への協力等
④ 不正に係る調査に関する規程等の運用については、公正であり、かつ透明性の高い仕組みを構築する。
⑤ 懲戒の種類及びその適用に必要な手続き等を明確に示した規程等を整備する。

不正を発生させる要因の把握と具体的な不正防止計画の策定・実施

(1)不正を発生させる要因の把握と不正防止計画の策定
① 不正を発生させる要因がどこにどのような形であるのか、研究開発部より管理部へ集積し、当社全体の状況を体系的に整理・評価し、把握する。
② 把握した不正発生要因に対応する具体的な不正防止計画を策定する。
(2)不正防止計画の実施
① コンプライアンス推進責任者は当社全体の観点から不正防止計画の推進を担当し、当社全体の具体的な不正防止対策を策定・実施し、実施状況を確認する。
② 最高管理責任者は、率先して不正防止に対応することを学内外に表明するとともに、自ら不正防止計画の進捗管理に努める。

公的研究費等の適正な運営・管理活動

策定した不正防止計画を踏まえ、適正な予算執行を行う。業者との癒着の発生を防止するとともに、不正につながりうる問題が捉えられるよう、社外公認会計士等の第三者からの実効性のあるチェックが効くシステムを整備する。

① 予算の執行状況を検証し、実態と合ったものになっているか確認する。予算執行が当初計画に比較して著しく遅れている場合は、研究計画の遂行に問題がないか確認し、問題があれば改善策を講じる。
② 発注段階で支出財源の特定を行い、予算執行の状況を遅滞なく把握できるようにする。
③ 研究者および事務職員と業者の癒着を防止する対策を講じる。このため、不正な取引に関与した業者への取引停止等の処分方針を当社として定め、当社の不正対策に関する方針及びルール等を含め、周知徹底し、一定の取引実績(回数、金額等)や当社におけるリスク要因・実効性等を考慮した上で誓約書等の提出を求める。
④ 発注業務については、原則として管理部が実施することとし、当事者以外によるチェックが有効に機能するシステムを構築・運営し、運用する。
⑤ 検収業務については、原則として管理部が実施することとするが、人員不足等の理由から管理部のみでの運用が困難な場合に限り、研究者が検収業務に加わることを認める。その際の研究者の権限と責任については、研修等により周知する。
⑥ 物品等において発注した当事者以外の検収が困難である場合であって、一部の物品等について検収業務を省略する例外的な取扱いとする場合は、件数、リスク等を考慮し、抽出方法・割合等を適正に定め、定期的に抽出による事後確認を実施する。
⑦ 特殊な役務(データベース・プログラム・デジタルコンテンツ開発・作成、機器の保守・点検など)に関する検収について、検収時には、業者より工程表及び作業報告書の提出を求め、成果物確認、外観検査、書面検査(工程表・作業報告書等による確認)および動作確認を行う。
⑧ 非常勤雇用者の勤務状況確認等の雇用管理については、原則として管理部が実施する。
⑨ 換金性の高い物品(パソコン,タブレットならびに周辺機器,通信機器,および映像機器等)については、備品登録対象金額以下のものであっても、専用の管理番号付シールにより、適切に管理する。
⑩ 研究者の出張計画の実行状況等を、出張報告書、領収書及び航空券半券等により把握・確認できる体制とする。

情報発信・共有化の推進

① 公的研究費等の使用に関するルール等について、社内外からの相談を受け付ける窓口は管理部とする。
② 公的研究費等の不正への取組に関する当社の方針等をウェブサイト等にて外部に公表する。

モニタリングの在り方

① 公的研究費等の適正な管理のため、当社全体の視点からモニタリング及び監査制度を整備し、実施する。
② 管理部は、毎年度定期的にルールに照らして会計書類の形式的要件等が具備されているかなど、財務情報に対するチェックを一定数実施する。また、公的研究費等の管理体制の不備の検証も行う。
③ 管理部は、上記②に加え研究開発部との連携を強化し、当社の実態に即して不正発生要因を分析した上で、それら不正が発生するリスクに対して、重点的にサンプルを抽出し、抜き打ちなどを含めたリスクアプローチ監査を実施する。
④ 管理部は、モニタリング及び監査に関し、最高管理責任者と直接協議できるものとする。
⑤ 当社は、文部科学省が実施する調査について協力する。